いきの構造 |
皆様、暑中お見舞い申し上げます。このブログでは、日本の美について私の考えを披露
させていただいていますが、今日は、日本人独自に美意識をあらわす語「いき(粋)」とはなにかについて、いきの構造という本の著者の九鬼 周造さんの考えかたを基に考察してみたいと思います。
九鬼さんは、運命によって〈諦め〉を得た〈媚態〉が〈意気地〉の自由に生きるのが
〈いき〉だということになると言ってますが、これだけでは本当に何の事か解らない。
だいたい媚態という言葉さえ、今では理解がむずかしい語になっています。
国語辞典的には男に媚びようとすうる女のなまめかしい態度という事になりますが、
これが九鬼流だと、媚態とは一元的の自己が自己に対して異性を措定(そてい)し、自己と異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。となってさらに そうして
「いき」のうちに見られる「なまめかしさ」「つやっぽさ」「色気」などはすべてこの
二元的可能性を基礎とする緊張にほかならない。さすが和辻さんと並ぶほどの哲学者ですから言う事がちがいますね。今日はここまで、この「いき」は長くなりますので、
あまり早急に理解しようとなさらずにゆっくりいきましょう。to be continued
おやすみなさい。図出典:岩波文庫 いきの構造 九鬼 周造著より
写真 秋川渓谷