センスは学ばなければ、一生良くならない |
さて今日は、インテリアコーディネイションの上級者向けの画像達です。ベルギーのGenkに住む、ミカエルとSaartjeのカップルによる”冷蔵庫の残り物料理的”リノベ・インテリア。
ミカエルによれば、ここのインテリアは買い物にいけなくて、冷蔵庫にある残り物だけで、うまく料理するように出来上がった(新しくリノベ専用の出費はせず)ものだそうで、多少逆説的な自慢もあるとは思いますが、残り物でここまで空間の料理をするとは、さすがと言うほかありません。
聞けば、ミカエルは将来を嘱望されている家具、アクセサリーのデザイナーで、Saartjeも美術学校の卒業生と言われれば、「やはりね」と納得します。
センスは生まれつきの物で、無い人は、そのままでいれば一生良くはなりません。
それでは、まったく希望が無いかと言えば、そうではなく、とにかくセンスが良いと言われるものを片っ端から見て覚えて、情報として頭に記憶して貯めていき、最初は自分の感覚と違っても、良いと言われている物を正として、自分の感覚との違いを検討し、どういう点が、センスが良いとして評価されるのかを覚えて置きます。この点今のネット社会は大変都合がよくできています。世界中の情報が、その気になりさえすれば、簡単に集められますし、評価も日本人だけの評価ではなく、世界中の人達の評価を知る事も出来ます。
これを続けていけば、自分の感覚と記憶の差がだんだん少なくなり、自分が自然に選んだものが良いセンスのものになっていくでしょう。少なくとも趣味の世界では、このやり方で十分に通用するはずです。
今日のインテリアも、感度がにぶいと、なんだかパッとしない地味なインテリアとして、見過ごされてしまう可能性すらあります。良ーく見て下さい。ジャン・プールベのテーブルにはじまって、置いてある全ての家具、すべての小物に至るまで、センスの無いものは1つもありません。そして、すごく大人のtaste(非常に重要な点です)。
確かに、いわゆるお金がかかっている建物や仕上げではありませんが、キッチンや階段のあるホールの床の仕上げはなかなか良い感じです。(たぶんコンクリートをワックスで仕上げた、だけ)
とかく日本人は、あまりグレードの高くないヴィニールの壁紙や、合成繊維の安手のカーペットに毒されているので、いろいろなテクスチュア(質感)への反応が鈍感です。しかし、最近漆喰壁や珪藻土等が一般化してきている事は、少しづつ良い方向に、向いてきているのかもしれません。一番下のhereをクリック、大きな画像で質感を確認できます。
明治以降、官民総出で、西洋近代化してきた、今の日本の住文化(と呼べるなら)は、かなり変形(日本人が勝手に解釈した西洋風:現実の西洋のインテリアとは似て非なる物)ではありますが、一応西洋化しているのでしょう。今や畳の部屋が無い家のほうが多いと思います。一方、茶室のような本格的な和の様式も、一般庶民の生活からは、かけ離れているのが現状でしょう。
私の今の立ち位置は、日本の風土気候にあった、新しい機能的な和の住宅とインテリアを模索しているところですが、進化した折衷(和と洋もしくは別なもの)が、コンセプトとしては正しいのかもしれません。折衷するにしても、いままでは住宅に関して、あまりにも限られた情報しか与えられていなかったし、良い前例も少なかったので、和も洋も、今一度おさらいし直しと思っています。
そんなこんなで少し取り留めのない話となりました。とにかく生活の中のインテリアに関心を少しでも持って、自分が気持ちよい空間は、自分で作り出す(自分が施行しなくても)という意識が持てれば、もっと人生が豊かになると思うのですが、貴方はどうお考えですか?
それでは今日はここまで、おやすみなさい。
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