たまには目でgastronomy |
しばらく万葉の歌と花が続いたので、元来食いしん坊の私としては、花より団子で、今日はフランス料理の話。
木工の世界に入ってからは、本当に希にしか、本格的なフレンチレストランでの食事ができませんが、以前は良く出かけました。代官山のヒルサイドテラスにあるアンドレさんがやっているパッションは東京のフレンチレストランの草分け的存在、私は暖炉の薪で焼くステーキが好みでしたが、何を頼んでも期待を裏切られる事はなかった所です。もしかするとオープンして、既に40年ぐらいになるんでしょうか?今も健在です。
彼は一時六本木に、イル ・ド・フランスというレストランもやっていたんですが、こちらは今はないでしょう。いろいろなフランス料理中でも印象に残っているといえば、やはり本場での経験で、最近の妙に気取ったヌーベルキュジーヌでは無く、フランスのそれぞれ地方に根付いた、おもいきりローカル色豊かな,田舎臭く,量が多く,思い切り味が良い(と思われる)ものを画像でお見せします。落語で貧乏長屋に住む住人が、鰻の匂いだけで白いメシを食べるのがありますが、私もこれを画像でトライしようとしているのですが、なかなかうまくいかないですね、あー!あの味よ、もう一度。
魯山人は、腹がすいていれば、卵ぶっかけごはんでも、最高においしく食べられるといっていますが、たまには、ギタギタのガストロに浸りたいと思うのも、普段あまりにも日本的な淡白な食事を強いられているせいかもしれません。一番上の写真は”子牛の煮込みオールドファションスタイル”、右の写真はバーガンディ地方の”チキンのマスタード仕立て”これは思いでがあります。いつの事だったか忘れる程、以前の話ですが,パリの医療施設付きの高級マンションに、1人で住む老婦人画家を尋ねたことがありました。あの有名な女流画家と同じマリーロランサンという人でした。当時70歳を超えていらしたとおもいますが、普段は杖をついている彼女が、ご自分で運転して場所ははっきり覚えていないのですが、時間からいってパリ郊外のいわゆるイル・ド・フランス(フランスの島の意味:パリを取り巻く半径100kmの緑豊かな一帯)の何処かでした、彼女が特別に案内してくれたレストランで出てきたのがこのチキンのマスタード仕立てでした。1人まるごと一羽なので、食べきれるか心配でしたが、おいしいので、平らげてしまいました。老婦人も一羽ペロリとめしあがったので、これにもビックリ。さすが肉食人種は違うと思ったものでした。
左はジビエのテリーヌ、イル・ド・フランスのもの、おいしそうですね、
追伸:何かUPしているうちに第2の故郷のパリが懐かしくなり、もう少し続けます。右の写真はパリのリヨン駅の構内にあるレストラン、ル・トランブルー(ブルートレインの意)ここはいわゆるベル・エポックの雰囲気をそままの残す、豪華絢爛のインテリア、当時仕事の関係があったジャン・ミッシェル・ヴィルモット(日本では渋谷の東急文化村の建築、家具ではカッシーナの椅子、パリではルーブルの改装したインテリア等、本国ではフィリップスタルクより評価は高い、最近は不況の日本を見限り中国での仕事をしているという噂)がよく連れて行ってくれた所。
私の好きな、コテ・ド・アニュー(骨付き子羊の腹子を焼いた料理:フランス人はいわゆる ”ハレ”の時、子羊を好んで食べる)が、美味しかった記憶があります。
一番下の写真はパリのバスティーユのマルシェ。マルシェというといつも思い出すのは、たいていは泥付きの太陽を燦々とあびた野菜達
いかにも野趣にあふれ食べると健康になりそう。この辺は、こぎれいでなにか不健康そうな日本のスーパーの野菜と大違い。しかも未曾有の円高で、彼らが、ひねこけたまずいトマト1個が2ドルすると聞いたら。ぶったまげるでしょう。日本の野菜(物価)の高さは何とかならないでしょうか?それでは今晩はこのへんで、ごきげんよう。
出典: 写真上から1,2,3/The Taste of FRANCE/Robert Freson/Stewart,Tabori&Chang,Publishers Imc. 4,5 私のパリ 私のフランス/岸 恵子/講談社