今の東京、東京の昔 |
街歩きで考えた事
さて 今日は原宿から青山近辺を家具店やギャラリーを覗きながら散策してきたので、最近の私なりの東京の街の印象をお伝えしてみます。7年前建てられた時は建築の世界のみならず、巷でもかなり話題になったプラダ・ジャパン(スイスのヘルツーク&ド・ムーロンの建築家ユニットによる設計)の表参道店を皮切り
に、裏青山をブラブラしてきました。あいにくデジカメを持っていなかったので、画像は関連画像ですが、私なりに東京の今をレポートしてみます。
東京の昔の方は、現在読書中の文筆家の吉田 健一氏(1912-1977)が書いた同名の小説から抜粋と私の東京の昔をとり混ぜたものになるはずです。
ご存知の様に、吉田健一氏はあの吉田茂の長男で、シェイクスピアの紹介や、英仏文学の翻訳、評論、小説等、本当の国際的インテリの文筆家で、本人も指摘しているように、明治以降のいはゆる狭小な視野の日本的知識人とかけ離れた、幅広い国際的視野と、物事の本質にせまる感受性、洗練されたユーモア感覚等で、私のかなり好きな作家の1人です。吉田 茂 、 白州 次郎、 河上 徹太郎、小林 秀雄等という一連の人間関係も垣間見えます。
さて青山の散策レポートにもどります。7〜8年前からプラダをはじめ、いはゆる欧州一流ブランドが直営の旗艦店を東京に建てはじめた頃は、「これでやっと東京も、世界の大都市並みになれる」とむしろ好ましく思っていたものでしたが。この不況下では、少し浮いて見えました。
さて、この近辺は、カシーナやBo Concept等海外直営家具ショールームもありますが、今日は目先をかえて、高級家具のアウトレット価格セールをやっているショップを何軒か覗いてきました。
この内の一軒では飛騨のキタニ社製のリプロダクト物のフィンユールのテーブルとラーセンのエリザベスチェアを30%OFFで売っていました。飛騨のキタニさんのすてきなショールームで、大切に売られているのと対照的にゴタゴタした玉石混交状態(これが今の東京らしさ?)で売られているのを見ていると、これらの家具が気の毒でした。(キタニさんは新宿の高島屋にショールームをオープンしたと聞いてますが、私は未だ行ってません)
外国資本の直営店を除くと、このあたりのオシャレなブティックも、穴場的なタベモノ屋さんもどうも元気がなく、FOR RENT の看板のある、開き店舗も目立ちました。
都会の魅力の大きな部分は,コスモポリタンであることなので、あらゆる外来のものを取り入れる包容力は大事だと思いますけど、街自体として守るべき伝統も、アイデンティティも、既に失っている東京の様な所は、どうすればいいのか? そんなどうでもいい事は、なりゆきに任せておけばいいのか、私には解らないし、解る努力もするつもりもないけど、残念ながら東京という、自分が生まれた場所に愛着を感じる度合いは、年々少なくなっています。
今日はここまで、“東京の昔”他
続きは次回UP時に
それではごきげんよう。
写真 上: 門前仲町近辺の高層マンションからみたスカイツリー(醜い東京の象徴)
写真 中: キタニの飛騨ショールームとフィンユールのリプロダクトのテーブル 出典 北欧スタイル9/2006えい出版
写真 下 たまたま通りかかった南青山3丁目のギャラリーSPACEYUIに置いてあった11/8〜17開催予定「森と人のアロマコスモス」 オークヴィレッジ 稲本 正 の展示案内より